世の中どこもかしこもコンピュータです。でも「日本語では何と言いますか?」と問われて答えられない人が
意外に多いようです。空気や水のごとく、生まれた時から「在る」ためかもしれません。
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技術用語コンピュータ
     
    コンピューターとは「計算機」のことです。COMPUTEは「計算する」という意味の英
    語の動詞なので、COMPUTERとなれば「計算するモノ、人」となります。
    この語形変化のパターンは、スポーツやゲームのPLAY「プレイ」する人をPLAYER
    「プレーヤー」と呼ぶのと同じです。
     
       RUNする人はRUNNER …ランナー、走者。この場合Nが2つ続きます。
       DIRECTする人はDIRECTOR …ディレクター。この場合ERではなくORです。
       CALCULATEする物はCALCULATOR …「電卓」、「卓上計算機」のことです。
     
    さてCOMPUTERです。一般的には機械をイメージし実際のところ機械なのですが
    「計算する人間」としても特に問題はありません。計算する主体はどちらでも可能です。
    コンピューターのごとくめちゃめちゃ速い計算能力を有する者を「人間コンピューター」
    と称したりもします。ただし、現在のコンピューターには動作原理上の定義があるよう
    で、厳密には人間はコンピュータとは呼べませんが、小難しいことは申しません。
    ともかくコンピューターは「計算機」です。
     
    あくまで「計算機」ですから計算可能な事柄だけ計算します。いやそれは正しくない
    ので言い換えましょう。たとえ本来計算が出来ない事柄であろうと、デタラメな計算
    ロジックをでっち上げ、ウソでも計算式を与えれば、コンピューターは何も疑わず一
    途に計算を続けます。それがコンピューターのコンピューターたる所以です。
     
    つまりコンピューターそのものは「知的」でもなんでもありません。
    もしも、自ら計算可能性を予見して、自らその計算に意味があると価値判断し、自ら
    その計算を開始する知性を持つコンピューターが存在するとしたら、一体どんなもの
    になるだろうか?という問いは無意味でしょう。それはすなわち「人間」だからです。
     
    えっ?でもワープロで文章を書いたり、きれいな絵を描いたり、CD・DVD・
    ブルーレイに記録された画像や動画を再生したり、音楽も聞けるし、インター
    ネットだって出来るじゃないの?」とお思いでしょうが、コンピューターの内部では
    ひたすら数値計算とデータ転送などの動作を繰り返しているだけなんです。
     
    ついでに付け加えておくと、「現在のコンピューターが計算できる対象はデジタ
    ル量つまりデジタルで表現された数値だけである」という事実は覚えておいて
    損はないと思います。アナログ量は直接計算することが出来ないのです。
    アナログコンピューター」と呼ぶものも一部の領域で使われてはいますが、私た
    ちが普段使うコンピューターはほぼ例外なく「デジタルコンピューター」です。
    つまり「デジタル」に決まっているので、単に「コンピューター」と呼んでいるわけです。
     
    そして、アナログとデジタルを混ぜ合わせた「ハイブリッドコンピューター」と呼ば
    れるものも存在します。クルマのエンジンと同じような感覚ですが、「電気とガソリン
    で動作するコンピュータ」という意味ではないので、一応ことわっておきます。
     
    私たちの住むこの世界の現実はアナログです。その意味でコンピューターワールド
    は仮想現実ないし疑似現実(しかもスカスカの)に過ぎません。
    たとえ、この世界の現実と判別できないくらい精密に再現していてもです。
     
    なお、先のCALCULATOR=「電卓」も「計算機」です。COMPUTERとどこが違う
    のかとよく質問されますが、「あんまり違わない」と答えることにしています。
     
    COMPUTERの方が計算能力がずっと高く入力や出力機能も充実していて、値段
    もそれなりに張り、ソフトウェアつまりプログラムによって様々な目的に使えるという
    作られ方をしているだけで、本質的な違いは何もないからです。
    電卓は出来ることを限定しているから安くて、それでも十分役に立ちます。
     
    私たちが家庭で普段使うのはPCと呼ばれる種類のコンピューターです。パーソナ
    コンピューターのことで『ピーシー』と発音します。国際的に決められた定義はなく、
    個人で所有するか自由に使えるコンピューターをPCと呼んでいるだけです。
    ですから大金持ちがスーパーコンピューターを「My PC」と呼んだところで間違い
    ではありません。あくまでパーソナルなものなのですから。
     
    PCはPERSONAL COMPUTERの頭文字をとった略語ですが、米国でも一般に
    PCで通用します。
     
    パソコン」とは日本独特の呼び方です。日本では他にオフィスコンピューターを
    発売当初から「オフコン」と呼んできました。もちろん「パソコン」、「オフコン」両
    者とも海外では決して通用しない名称ですので念のため。
    さすがに大型コンピューターを「ダイコン」、小型コンピューターを「ショウコン」とは
    呼ばないようです。
     
    そのPCですが、私を含めたIT業界の人間や技術オタクは、ほぼ例外なく「マシン
    と呼んでいます。クルマやバイクと同じノリなのかもしれません。
     
    私のパソコン最近調子が悪い
    私のコンピューター最近調子が悪い
    私のPC最近調子が悪い
    私のマシン最近調子が悪い
     
    上から順にPCをいじる熟練度が高くなる傾向があり、4つのうちどれを話している
    かによって話者の大体の位置が判断できます。
    これからは「私のマシン」と呼んでみてください。
    プロっぽく聞こえるハズです。
    いや、オタクっぽいかな?
    ともかくPCに慣れてくると自然に「マシン」と呼ぶようになるみたいです。